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水俣エコハウスで活用されている事例紹介

水俣エコハウスで活用されている伝統構法、利用されている自然素材、取り入れられている環境性能の一部を紹介します。

  1. 伝統構法の活用
  2. 山に合わせた設計寸法
    伝統構法では、曲がり木は梁に、直材は柱に使います。大きさや長さは近くの山にある木の寸法に合わせて、まず材料ありきの適材適所で材を採用します。木材の乾燥はほどほどの一夜干し乾燥が手刻みの場合は都合が良いようです。
    足元の開放
    九州地方は高温多湿地域で物が腐りやすく白蟻が多いので、昔から土台方式は少なく、柱を優先させた足固め工法を採用しています。床下を開放させ、風通しを良くしています。
    用の美
    柱・梁は強度上力の流れるように組んでいるため、自然に美しくみえるものです。取り替えが利かない柱・梁は大きく、地震や台風により若干被害を受ける土壁は露出させて早期発見・修繕をしやすくします。
    木組み
    紙はホッチキスで留めると十数年でバラバラになります。同じ紙のこよりで留める方が長持ちします。金物に頼らず、木は木で留める方が良いのではないでしょうか。追掛大栓継・金輪継・渡り顎等を採用し、込み栓は800本を使用しています。
    メンテナンス・再生
    伝統構法の組み方は花結びです。解くことを考えています。修繕を繰り返して建物を長寿命化させることが何より大事です。
    貫と土壁・柱・足固め
    伝統構法は土と木のもつ粘りを制震要素とし柱や梁、足固め等も構造総力として地震や台風に対抗した構造です。
  3. 自然素材の利用
  4. 和紙
    ふすまに使用している手漉きの和紙はイグサの繊維が漉き込まれています。イグサには調湿効果はもとより、シックハウスの原因になる有害物質を吸収し、空気の清浄効果もあります。ふすまは昔ながらの下地共7枚貼りです。
    屋根瓦
    凍害のない南国地方ではいぶし瓦は長持ちする屋根材です。渋い銀色の光沢は、日本の風土に根ざした味わいと伝統を感じさせます。いぶし瓦は粘土でてきているため、役目が終われば土に還るか土間の下に使うこともできます。
    小舞竹・土壁
    吸湿性に優れ、室内の温湿度が安定するため、夏は涼しく冬は暖かくなり、高温多湿の日本気候に適しています。断熱・遮音・耐火性・結露防止等にも優れており、補修も容易に行え、土と竹等の自然素材でできており、役目が終わると土に還ります。

    無染土の畳表と水俣市の田で掛け干しした稲藁の藁床畳です。足触りが良く、保湿性・断熱性・吸湿性能があります。防虫紙は入っていないため、風通しと掃除を行き届かせます。
    三和土(たたき)
    玄関土間は三和土にしています。三和土は地元の土と石灰、砂に湿気を吸収させるためにニガリを混ぜて造ります。役目が終わると金槌で砕いて土に還ります。
  5. 地域にふさわしい環境性能の確保
  6. 日射遮蔽
    深い庇で夏の日射を遮ります。南の軒の出は2mあり、不快な梅雨時も窓を開けることができます。客間の西側の窓はガラリ雨戸で西日をコントロールします。グリーンカーテンと簾も日射を遮るのに一役かっています。
    断熱
    杉の樹皮で作った断熱材は壁と床に使用し、天井には現場で出た鉋屑を不織布につめて断熱材にしています。開口部は防寒しゃくりやモヘヤで隙間防止の工夫をし、内障子を合わせてペアガラス以上の性能を引き出しています。

    南側の大きな開口から入って北側の窓から風が通ることにより、爽やかな微風が流れます。夏は家族室の床下点検口と土間玄関の框の下を開け、涼しい風を取り入れます。南の地域の住まいの環境性能は、断熱・気密と共に遮熱と風も加味することが求められます。
    温・薪ストーブ
    薪ストーブで暖をとり、吹き抜けを通して2階も暖めます。掃除がしやすいように薪ストーブは土間玄関に設置しています。山の整備を手伝い、余った薪を利用することで山の保全にもつながります。
    調湿
    土壁・三和土・藁床畳・紙障子・杉床・漆喰内壁全てに調湿効果があります。夏は除湿効果により涼感を得られ、冬は加湿効果により温かく感じます。冬は土間玄関に水まきをして加湿します。
    日射導入
    太陽高度の低い冬期は室内の奥まで太陽熱のあたたかみを取り入れます。冬の晴れた日のガラス戸の内側は温室のように暖かです。
    緑の効果
    草木・低木・中高木により地表面温度や地表面近くの気温上昇を抑えることができます。良好な外部環境をつくると同時に四季の変化を楽しみ、生活の潤いと安らぎが得られます。数年後には樹木や生垣が成長し、豊かな庭になります。
    雨水利用
    北側の屋根からの雨水は雨水タンクに溜め、畑や庭の水やりに使います。南側の軒先は桶無しとしています。雨落としによる雨のカーテンができます。
    通風
    無双窓から風を取り入れ、風通しを良くします。網戸付の無双窓から入る風は2階の廊下の窓へ風が流れます。1枚の板を固定し、もう1枚の板を可動させるため、中からは開けやすく外からは開けにくいため、防犯の効果もあります。

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